■ 私の勝ちだな!アンゲラ!
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アンゲラの授業は相変わらず激しく続いていた


必修だというのに、脱落者が続出する。アンゲラよりも 「Z館」行きを選ぶのね…(語学再履修は「Z館」という建物である。 この「Z」という後がなさそうな響きが何とも不吉な上、本校舎とは 離れたところにあるため、「Z館行き=島流し」状態だった)。

でも、アンゲラにも優しいところがあるんだよ! っていうのはね…

ある日の授業、当てられた女の子が覇気の無い声で 答えた。すると、アンゲラはいぶかしんだ顔で、

「お嬢さん、どうしたね?具合でも悪いか? あなたは、元気が無いね。」

と、彼女を気遣う言葉をかけた。すると彼女は、

「はぁ…、ちょっと頭が痛いので…」

と答える。でも、アンゲラが怖いからこう答えてるのが 丸分かりなんだな。

とたんにアンゲラは困ったような顔になり、

「お嬢さん、頭が痛いなら授業に出なくても良いよ。 頭が痛いのに勉強しても意味無いね。もう、家に 帰って休んだ方が良いよ。」

とやさし〜い提案をした!

「え…でも…」

と困ってしまう彼女。

「何をしている!早く帰って休みなさい! さあ!さあ!さあ!」

この状況に耐えきれなかったのか、彼女は

「では…失礼します」

といって静かに教室を後にした。

そして、アンゲラは出席簿に「早退」を記録する…
ね?やさしいでしょ(;;)???

そして!何と私にも同じ状況が訪れてしまった!

ある日の授業、私はなんとなくだるかった。それを 目ざとく見つけるアンゲラ。

「お嬢さん!どうしたね?具合が悪いのか?」

げげ!前の彼女の状況を覚えていたので、ここで 下手に答えると、「退場〜!」になってしまう!
…でも、言ってしまった…

「あ、ちょっと頭が痛いだけです。」

すると、予想通りの反応が!

「頭が痛いのに、何故授業に来た?家で休んでいたら いいでしょ。」

あわてて、私は答える。

「いえ!休んだら先生に悪いですから!!! (っていうか、休んだらあんた怒るやん!)」

…し〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん…

なんだ?この沈黙は!?
なんかまずかったのか?!

しかし、そうではなかったのだ。しばしの 沈黙のあと、アンゲラはこう言った。

「私、今感動したね!」

おお!

「お嬢さんに、お昼をおごってあげたい!」

おおおおお!

「大学の学食で、今日おごってあげようと考えた。」

んんん…(けち!)

「でも、私今お金無いね。こうとわかっていたら ★貯金箱★からお金持ってきたよ。」

がっく〜〜〜んっ★

ちょ…貯金箱…。可愛いところもあるのね。

私の言葉を真に受けて、思いっきり感動してしまった アンゲラ。しかし私の心には、思いっきり罪悪感が…

でも、こんな優しい(?)言葉を聞けるなんて 思いもしなかった。私のことを「良い生徒」と 思いこんでくださったのですね…ふふふ。

私の勝ちだな!先生!
(何が「勝ち」なのかは突っ込まないように)