最初の授業にはまじびびった。ドイツ人女性ってああいうものなのだろうか? 次なる授業は文法の授業。担当はSp.先生。ドイツ語の名前!ああ、またもや恐いドイツ人なの!? びくびくして待っていると、はいってきたのは黒髪にこげ茶の瞳の女の先生。 どうみても純日本産の容貌だ。年の頃は50に届くか届かないか。 にっこり笑って先生は言った。 「私はSp.もとみ(仮名)です。日本人ですが、主人がドイツ人ですので名字はドイツのなまえです。 これから1年皆さんのドイツ語を担当します・・・じゃあ・・・ 早速ですがテストをしましょう。(にっこり)」 先生、今なんておっしゃいました?え?テスト?テストでございますか? うそでしょう!? それはあまりに御無体でございます。しょっぱなっからテストですか?! クラス全体が動揺しているなか、無情にもテスト用紙がくばられテストは始まった。 ドイツの面積?・・・知らない・・・ ドイツの人口?・・・知らん ・・・ ドイツで一番大きな川?・・・ライン川?・・・ 知っているドイツ語を書け?・・・バウムクーヘン・・・ ・・・ろくに書けなかった・・・ でも用紙は集められ、先生はそれをみてにやにやしてらっしゃる。 「ほほほ・・・みぃーんなバウムクーヘンって書くのね!ほほほ・・・」 ・・・ええ、いくらでもわらってくださいまし・・・ 「私は単に皆さんがどれだけドイツのことをしっているか試してみたかっただけなんです。 それにしても・・・ほほほ・・・」 テストの後、先生はドイツのカレンダーやライン川の案内をみせてくれた。 そして熱っぽくドイツについてはなしてくれる。 しかし私の興味を一番ひいたのは次の話題であった。 「うちの大学では、毎年20名をドイツの大学のサマーコースに派遣しています。 参加希望者は選抜試験を受けて、受かったら特別語学レッスンが有ります。 私はこのサマーコースとってもお勧めです。試験が近づいたら、補講をしてあげますね。」 よっしゃ!いただきや! 取り合えずの目標がきまったのだ!サマーコース選抜試験! それにむけて勉強しよう! 先生は更に言った。 「ドイツ語会話を勉強したい人のために、水曜日と金曜日のお昼休みに、補講を開きますね。 やる気のある人はぜひいらっしゃい!」 おお!なんて教育熱心な先生なんだ!いきなりの試験にはびっくりしたけど、感じのいい先生だ。 これが私とFrau Sp.の出会いであった。この先生がいなければ、今の私はなかったといってもいいぐらい 私に影響を与えた先生である。のちにはこの先生の御主人、Herr Sp.との運命的(?!)な出会いも待ち受けて いるのだが、それはまた別の機会に述べよう・・・ |