こまった!裁判なんていややっつーの! 国際課のボスに裁判する旨をいいわたされていらい、電話がなるたびにビクビクしていた。本当に本当にやるんかい?しかし終に通訳の人からの電話がきてしまったのだ。 すごく意志の強そうなしゃべりかたの人である。 「もしもし、たこさん?はじめまして。私は裁判の通訳をすることになったゆうき(仮名)です。国際課から依頼をうけました。私は父がドイツ人、母が日本人なので、両方の言語を話すことができます。」 日本語がペラペラなので、少し安心した私は自己紹介をし、経過を簡単に説明した。 「まあ!**大学からの交換留学の方なんですか。私実は来年の交換留学に応募したんですよ。あ、私も大学生で、歴史を専攻しているんです。....それにしても、そのM国人はひどいですね。今国際課が検事をさがしてるので、その前に私達会っておきましょう。」 取り敢えず、今週にうちの町の日本人の集まりがあるので、そのときに会うことにした。 それにしても、だんだん現実化してきそうな裁判に恐れをなした私は本当に混乱している。そのときだった。日本から電話がきた!我らがSp先生だった。 「たぁこさん。その後はどうですかな?国際課はなんかいいましたかな?」 「はい、あの、裁判をおこすといわれて、通訳の方がついたのですが....」 「なに!?裁判!?あぁた、それは大変ですよ!ちょっとまってくださいな。私がもういちど国際課に電話しますな。それはやめてほしいといいますよ。」 Spせんせーい!お願いしますよー!!! 数日後にあったゆうきさんは、エキゾチックな美人であった。日本人の集まりにはSp先生の息子さんもきていて、二人は同じような生い立ちなので知り合いのようだ。ゆうきさんに、その後何か国際課から連絡があったかきいてみたが、特に何も無い、という返事だった。 「私も裁判なんて初めてだから、とても緊張しているのよ。法律用語しらべたりしてるのよ。」 そうか、矢張り裁判って普通のことではないんだ。 みかちゃんもゆうきさんにちょっと興味をもったらしく、「私はアメリカとのハーフです。」とはなしかけていた。あとで、 「やっぱり同じハーフでも、ドイツじゃなんか違うわね。ハーフ同志でなんで敬語つかわなきゃいけないのかしら。」 などと言っていたけど。 ビール工場直営のクナイペ(酒場)へ皆でいって、1メートルの長いお盆に12個グラスがのってくるという「メートルビール」をたのんだ。話は結構はずみ、このM国人事件がおわってからも、ゆうきさんには色々助けてもらうことになるのだ。 さて数日後、例のM国人が郵便受けの所で、Studentenwerk(学生互助会)からの手紙を読んで、「ちくしょう!」と罵りながらかえっていくのを目撃した。終に彼に呼び出し状がきたのだろうと、私の緊張感もピークに達する。 ...そして30分ぐらいして電話が鳴った。予想通りStudentenwerkからだ。今からこちらにこいといっている。ゲゲゲ!奴と直接対決か!!! たこ武者奮い!!! |