■ アンゲラの猛攻!
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恐怖の先生。その名はアンゲラ!


アンゲラ先生の授業は相変わらずだったけど、 受講生が増えた分、私に対する個人攻撃が 少なくなってきた。ほかの皆は、恐ろしがって いたけれども、

フン、この程度で参ってるようじゃ、甘いわね!

というのが私の感想。

ところが、ある日のある女の子への猛攻は 涙を誘われずにはいられなかった・・・

数字の勉強をしていたときである。その女の子は 80代の数をすべてドイツ語で言うように指示された。 しかし、その女の子の口から出てきた言葉を聞いて、 ドキドキしてしまったのは私だけじゃなかったはずだ!

★アハン★ツィヒ、アインウント★アハン★ツィヒ、 ツヴァイウント★アハン★ツィヒ・・・」

(注:正しくは「★アハ★ツィヒ」)

きゃ〜!!!
しかも彼女の声は少し鼻にかかっていて、 エッチ☆に聞こえるのだ。

彼女はその調子で「アハン、アハン」と89まで言いつづけた。
アンゲラ先生の顔が歪んだ!くるぞ、くるぞ・・・

「違うよ!お嬢さん!もう一度最初からいいなさい!」

・・・誰もがこの時願ったはずだ。

「お願い!自分の間違いに気づいて!!!」

ところが皆の願いもむなしく、

「アハン・・・、アハン・・・」
(もうここしか耳に入ってこない)
と再び彼女ははじめた。アンゲラ先生が再び怒鳴る。

「違うよ!なぜわからない!!!もう一度!」

「アハン・・・、アハン・・・」

女の子はもう泣いていた。他の皆は彼女にむっちゃ 同情していたけれども、「アハン」といわれるたびに、 心の奥底で何かが騒いでいるのが押さえられなかった。 皆でひきつる顔を見合わせて、
「どないしたらいいねん!」
と目でささやきあっている・・・

「ああ!もういいよ!お嬢さん!座って!」

彼女はいすの上にどっと崩れ落ち、けして顔を 上げようとしなかった・・・
可愛そうに・・・

このように、アンゲラ先生の授業は一様に緊迫感が 漂っていたのだけど、その中で一人、平気でくすくす 笑う女の子がいた。 数少ない私と同じ2回生の受講者・夏っちゃん(仮名)だ。

「くすくすくす(肩を揺らして笑ってる)」

彼女の声はまたやたらと良く通るのだ。

「あ〜!聞こえちゃうよ〜!」

とこちらがはらはらしていても彼女はまったく気にしない。
でも、彼女のこのマイペースさは、ドイツ語の 授業の最中によくまわりを和ませてくれる。
そしてそれはアンゲラ先生の授業だけではなかったのだった。

★後日エピソード★

この時の受講生2人(一人は夏っちゃん)とドイツで再会する事になる。
これまた偶然学会で再会・・・という劇的?な出会いだった。しかし彼女は当時の話をするのを嫌がる・・・からここでは名を出さずに置こう・・・(って本人よんでるかな?)