労働許可がほしい 1






【注意:これは以前の状況です!今は変わっています!!!】


「自分の面倒は自分でみる!」
そう大見えきって日本を飛び出してきた。来てしまえばどうにかなる! そう信じて所持金20万円で来てしまった。
「こっちにくれば、バイトなんていくらでもあるし、生活費ぐらいかせげるよ。」
そう言ったのは、私の恩師、Sp.先生の息子さん。私はその言葉を疑いもしなかった。

しかし、それ以前の問題があったのだ。労働許可(Arbeitsgenehmigung)!
Sp.先生の息子さんはドイツ国籍なので、そりゃ好きなだけ働けるでしょう。 だけど、日本国籍の私がドイツで働くには、労働許可というものが必要なのでございますよ!
こうして私の労働許可取得への戦いははじまった・・・

労働許可を出してくれるのは、外国人登録局(Einwohner- und Meldeamt)である。 取り敢えずそこで聞いてみた。
「そうですねぇ。大学の教授の推薦状とあなたの手紙がいりますねえ。」
どうやら受け付けの人に権限はなさそうだ。決めるのは彼の上司らしい。
O.K.じゃあ、まず教授に話をつければいいんだな。さっそくお願いしにいってみよう。 以前私の科目登録相談にのってくれたO教授の所へいってみた。太っちょの迫力ある先生だ。 私がわけを説明すると、
「O.K. Frau TAKO, 私は喜んであなたのお手伝いをしますよ。私も人助けは大好きですし。 外国人の労働許可への推薦状は、大学内で一括して取り扱っている部署があるから、 そこに電話してあげましょう。」
そう言ってO教授は大学の社会福祉課(Sozialamt)に電話を掛けてくれた。
「Frau TAKO, 社会福祉課のFrau Er. が話を聞いてくれるそうですので、今から行ってらっしゃい。」

社会福祉課に行ってみると、恐そうなおばさんが大声で電話をしている最中だった。 電話が終わるまで待っていろとのことなので、おとなしくいすに座って待ったのだが、 いっこうに終わる気配はない。私の前にもアフリのカからきた男の子が並んでおり、 彼もすでに15分ほど待っているようだ。あまりに長いので、彼がドアをノックしても、
「そこで待ってなさいと言ったでしょう!」
・・・おお恐い。
30分は待っただろうか。私の前の彼が呼ばれて中に入っていき、すぐに不機嫌そうな顔で 出てきた。うーん、いやな予感・・・
「はい、次の人!」
やっと私の番。中に入って行って、いすに座ったとたん、またもや電話のベルが。 ・・・そしてFr. Erは20分間しゃべりつづけた。しかも内容はといえば、世間話。 仕事せんかい!仕事!と思うのだが、彼女にとって(いや、大部分のドイツ人にとって) おしゃべりのほうが大事なようだ。
やっとおしゃべりが終わって、受話器を置くと彼女はいきなり切り出した。
「さっきO教授がいってた労働許可の推薦状が欲しい人?何ゼメスター目?」
いきなり話が始まってびっくりしたが、取り敢えず再渡航からのゼメスター数、 1ゼメスターと答えた。
「預金残高は?」
・・・その時はまだ、ドイツの口座を開設していなかったので、私の持っているものといえば、 日本でビザをもらうためにとった、銀行の100万円の残高証明書であった。
それを見せると、Fr. Er は言った。
「あなたが労働許可をもらうのは不可能ね。」(あっさり)
がーん!!!
え?どうして?どうしてでございますか???
「ゼメスター数も少ないし、預金は多いし、これじゃ無理よ。」
でも、でも、おととし交換留学で1年滞在したので、本当は3ゼメスター目で、 100万円はビザ申請の時点だから、その後飛行機代とか渡航準備費とかこちらでの 生活用品を買い集めたり、下宿の敷金払ったりで、減ってしまってるんですが・・・ (というか実際は100万なんてなかったので、ビザのために借金して残高証明作っただけ)
「そんなこと関係無いわ。実際に証明書はそうなってるんだし。今ドイツには何万人の失業者が いるか知っている?なんで外国人に仕事をあげなきゃいけないの?!はい、面会時間終わり、 帰って帰って!4ゼメスターしたらまた来ることね。」
玉砕だ・・・

しょっぱなっからこけてしまった・・・・どうしたらいんだ???4ゼメスターなんて持ちこたえられない・・・
失意に打ちひしがれて部屋をでると、向かいのドアは外国人悩み相談所(Auslaender-Beratung) であった。ふらふらとそのドアに引き寄せられて中に入ると、そこにはなんと旧知の友、 台湾人の明花(仮名)がいたのだ。思わぬ再会に感動しつつも、落ち込んでいるので元気のないわたし。 明花は心配してわけを尋ねてくれた。彼女はここの助言係なのだ。私がわけを話すと、彼女はさも納得したように、
「Fr. Er はものすごく不親切で有名なのよ。彼女が推薦状断られた人いっぱいいるの。 でもあきらめないで。彼女の推薦状無しでも申請できるから。誰でもいいから教授に手紙を書いてもらいなさい。 この生徒はとても優秀で、学業とアルバイトを両立できるって。それを持って外国人登録局で絶対に働く必要があることをアピールするのよ!」

この一言で私は元気になった!そうだあきらめちゃいけない。何事もあたってくだけろ、だ!!! よし、もう一度教授の所へ行くぞ!

戦いはまだ始まったばかりである・・・








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