労働許可がほしい 2






【注意:これは以前の状況です!今は変わっています!!!】


明花の勧めに従って、 プロフェッサーに手紙をかいてくれるよう頼む事にした。 知り合って1ヵ月もたってないのに 「この学生は優秀である」 などとかいてくれるかどうか疑問であったが、 とにかくお願いしてみるぜ!

再びO教授のもとへ向かう私。 こんな図々しいお願い果たしてきいてもらえるのだろうか???
O教授の部屋はバロック式の古い校舎のなかにあって、 入るのにとても威圧感を感じる。さあ、思い切ってノックをするぞ!
「コンコン」
しばらく待つが返事はない。おかしい。ちゃんと面会時間に合わせてきたのに。
もういちど、 こんどは大きく「コンコン」
すると、

「わたしは電話中です!終わるまで外でまってなさい!!!」

どっひゃーっっっ!びっくりした!!!

地の底からわきでてくるような声が建物中にひびいたのだ!
私は完全縮こまってしまった! これから重要な頼み事をするのにいきなり怒らせてしまった! 然も電話! 昨日のいやな体験をほうふつとさせるではないか。。。

予想通り20分は待ったとおもう。やあっとお呼びがかかったので、 おそるおそる部屋にはいっていった。しかし恐がることはなかったのだ。 教授は前回と同じくニコニコとほほえんでいる。
ホッと安心して事情を詳しくうちあけてみた。

「O.K. Frau. Tako、そういうことなら私が直接外国人登録局にかけあってみましょう。」
やったー!手紙を書いてくれるのね!とおもったら、 教授はいきなり電話をはじめたのだ。おもいたったらすぐ! がドイツ人のモットーなのかもしれない(その後もこういう事がよくあった)。 兎に角楽しそうに話し込んでいる様子で、 そのあいだ私は審判が下されるのをまっているようにドキドキしていた。 そして電話が終ると間髪をいれずに教授は言った。
「Frau.Tako 大丈夫! 貴方にFrau Ehr. は必要ありません! まず貴方は雇い主をみつけなさい。なるべく日本の会社がいいですよ。 そして上司にこうかいてもらうのです。 "この仕事はこの人物以外のひとにはとても困難である。そして、 ドイツ人では代用がきかないため、ドイツ人の職を奪うことにはならない。 だからこの人物に労働許可をおろして欲しい"」

よっしゃあ!がってんや!

私も結構おもいたったら直ぐ実行するタイプなので、 早速情報集めに走った。 町にある日本の家具や食器をうっている店に、 何かないか聞きにいってみよう!
その店はいつも日本人のK子さんが店番をしていて、 商品はそこらでうっているちゃちい日本の物とは全く違う、 高級感の漂うものばかりなのだ。 この方とは以前茶道の件で色々話をしたことがある。 あれから1年以上たっているがおぼえてもらっているだろうか???
店にはいると風鈴がチリンと鳴った。K子さんと目が合う。 しばらく考える素振りをみせたあと、彼女はきいてきた。
「あの、もしかして茶道の方じゃありません?」
やったー!おぼえてくれていた!
それどころか、彼女は常々店でお茶会をひらきたいとおもっていたので、 彼女のほうから仕事の申し出があったのだ!
「今度うちの店でお茶会やっていただけません? え?アルバイト許可取得のための手紙ですか? 私達に出来るのならかきますよ!」

目の前がパッと明るくなるというのはこういうことなのだろうか! それまで落ち込んでいた気分は一気にふきとんだ。
なんてラッキーな私!!!
しかしお役所はそれほどあまくない。まだまだ戦いは続くのだが、 取り敢えず私のドイツでの初アルバイトは、 ティーセレモニーと決まったのである。








たこにメール出す?