■ 大学に入るための資格
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日本人がドイツの大学に入るためには2つの資格がひつようだ。

A. Abiturと同等の資格

ドイツの教育システムは日本とは少し違う。 初等教育期間(小学校にあたる)を4年、 そして中等教育期間(中学校と高校を合わせたようなもの、 これがギムナジウム)に9年間通って卒業試験合格と同時に、 全てのドイツの大学への入学資格を手に入れる。。 つまり、 日本人より1年多く高校に通うような形になり (これも州によって違うが)、大学入試にも受かった形になるわけだ。 ここで日本の大学の一般教養過程にあたるような勉強を済ませてしまっているので、 大学はいきなり専門課程から始まる。

では日本で教育を受けた人がドイツではどのように扱われるのだろうか?

  • 4年生大学に1年以上在籍している
      ドイツの大学に入学資格がある(女子大の場合問題があることも)。

  • 短期大学卒業
      ドイツの大学に入学資格がある。ただし専攻の変更で問題があることあり。 一部の大学では認められない(うちの大学は大丈夫)。

  • 短期大学在学中・入試合格
      大学によって許可されたりされなかったり。各大学に問いあわせ。

  • 高等学校卒業
      4年生大学入試に合格していれば入学資格あり。 ただし以下のことが提案されているため、 センター試験を通しての合格証明が必要の可能性あり。 Assistを通しての出願(このリストの大学)の場合はその可能性が高いと思われる (Assistが参考にしているであろう外国の学歴認可システムにそのようにかかれているためだ)

    --------------------------DAAD東京のHPページより引用:

     その他の高校卒業者:(州文部大臣常設会議(KMK)の提案による。2004年4月現在)

    高校の卒業証明書・成績証明書に加え、日本の4年制大学の入学試験(センター試験利用)に合格したことを証明できること。センター試験は最低3教科を要求する大学を受験し、その成績表も提出してください(成績表はセンター試験受験申し込みの際に希望すると、5月頃にセンターから本人宛てに送付されてきます。英文のものを申し込むこと)。ドイツで学びたい専攻と同じまたは類似の専攻で受験することをお勧めします。ただし、音大・美大の場合については、留学希望の大学に個別に直接お問い合わせください。入試合格証も保管しておいてください。

    ドイツの大学の入学が許可されなかった場合は、日本の大学で1年間勉強したあと、成績証明書を添付して再応募することができます(この場合はドイツで学ぶ学科の制限はありません)。

    --------------------------(引用ここまで)

  • かつて日本人は大学1年生を終えていないと、 Abitur同等資格とはみなされなかった。しかし98年4月から、 高校卒業+4年生大学入試合格(女子大じゃないほうが良い)で、ドイツのアビトゥアーと同資格とみなされることとなった。短大は卒業したらアビトゥアーと同等資格だが、ドイツと日本の専攻を変えられない場合もある(特にバイエルン)。 短大在学中、入試合格だけでは許可がおりないこともある。ただし近年また変わる可能性あるらしい(→センター試験を通しての合格じゃないと受け付けられないようにかわるかもしれません!!!)。 音楽系の人はすでに以前(2002年以前)と状況が変わっているとの情報があるので、各大学に要確認だ。
    日本で高卒のみの人はいきなりドイツの大学に入ることはできない。 その前にStudienkollegという予備課程にかよって終了試験に受かる必要がある。もしくは何処かの日本の4年生大学の入試を受けて合格する必要がある(こっちの方が絶対楽だと思う)。なお、入学資格審査の資料としてドイツの世界の大学一覧が使用される場合がある。 ここに載っていない大学では入学許可が下りないケースもある。

    なお、音楽学科に関しては例外で、技能入試に合格すれば、 高卒でも入学は許可される。

    ★★重要情報★★

    2004年5月より外国人入学志願者への事前入学資格審査が開始!!!
    外国人入学志願者はまずAssistという機関に願書を送り、 ここで入学資格の審査をうける。  


    B. 高度なドイツ語能力の証明(例として以下があげられる)

    1. DSH(大学入学ドイツ語能力証明試験=旧PNdS)に合格する

      ドイツの大学によって行われる試験で、多くの大学で独自にテストしている (自分のところでしないで、近郊の大学に委託している大学もある)。 入学許可をもらった後に受ける、外国人にとっては実質上のドイツ大学入試のようなものだ。
      この試験は学術言語構造(筆者は受けた事が無いのでどういうものか分からない)、聴解、読解、作文、会話の5つからなっており、57%以上で合格、そして取った点数によって以下の3段階の資格に分けられる。

    2. DSH-1・・・各分野全てで57%以上の点数。DSH-1で入れる学科は極少数。

    3. DSH-2・・・各分野全てで67%以上の点数。多くの学科で通用する標準資格。

    4. DSH-3・・・各分野全てで82%以上の点数。高度なドイツ語能力を必要とする学科はこれを要求する。

    5. かつて難易度は各大学によってかなり違った。現在は全国共通の出題基準枠組みができたため、各大学はそれにあわせるようになってきているが、それでも各大学の都合が優先される。 基本的にDSHは合格すれば、ドイツ全国どこの大学でも通用するとされているのだが、 他の大学のDSHでも認めてもらえる大学もあり、 その大学のDSHしか認めない大学もある。

      注意しなければいけないのが、 DSHは一生に2度しか受けられないかもしれない、 ということだ。2回落ちたらハイさようなら!なんて事もありえる。 2004年6月から受験回数制限は廃止してもいいと枠組みで定められているが、 これには「各大学の規定が優先する」とあるので、 受験回数制限があるかないかは大学によって違う。 だから受験する際には充分な準備をしておこう。 うちの大学では追試があるので、合計4回受験が可能だ(他の大学は知らない)。 ただ、これは噂だが、 州をかえて受験すればバレない・・・らしい。
      いずれにせよ、大学には外国人用のDSH準備ドイツ語コースがある事が多いので、 それに通い続ければまず受かるようだ(私は通わなかったのでよく分からない)。 また準備コースではDSHに関する噂が飛び交っているので、そこで情報収集するのが一番だ。
      ちなみにドイツ人にこのテストを受けさせると、70%の人は不合格になるそうな。 まあ、日本人が日本語検定1級を受けてもそんなものかもね。

    6. Test DaFのすべての分野で4以上の評価を取る

      Test Daf というのは近年新しくできたドイツ語統一検定試験で、英語のTOEFLのようなものだ。 読解、聴解、筆記、口頭の4分野に分かれている。これはDSHと違い、 何度でも受けることができる(ただし、2年以上前の成績は大学入学願書提出の時には有効ではないと思われる)。だから、こっちの試験を受けるほうが気が楽なのかもしれない。でもレベル的にはこちらのほうが難しいという噂もちらほら。
      この試験はドイツ国外の機関でも受けることができ、日本では獨協大学とゲーテインスティトゥートで受験できるようだ。

    7. ゲーテの語学検定(ZOP以上)に受かる

      ゲーテで行われる試験にはかなりの信頼性があり、 ZOPクラスぐらいになると入学許可が下りるようだ。 このゲーテの試験、もちろん日本のゲーテでも受験可能である。 ただし、もっぱらの噂としては、ドイツで受けるほうがはるかに簡単らしい。


    8. オーストリア政府公認ドイツ語能力検定試験


    9. こちらはオーストリアのドイツ語検定だが、札幌、大阪、東京、福岡の4都市で受験できるので、 日本でゲーテがちょっと遠すぎる地域の人に便利だ。 ドイツのいくつかの大学で、この試験が認められるようだ。

    10. 独文科の修士課程をでている


    11. この場合ドイツ語の試験が免除になることもあるようだ(ハイデルベルク、ベルリンでそのような話をきいた)。大学に交渉してみよう。

    今の主流はDSHであるが、これから徐々にTestDaFに移行していくようだ。 語学試験免除条件は各大学が自由に決めているので、志望大学に問い合わせよう。
    音楽・美術系やスポーツ学科は語学試験免除のこともある。

    語学資格をとったら、それがドイツのどの学科で通用するのか捜すことのできるサイトもある(よく壊れてるけど・・・)。

    C. TestASを受ける

    おい!さっき必要な資格は2つと言ったろう!Cって何なの!?

    って思っているかもしれないけど、実は上記2つに加えてこのTestASを要求する学科もあるのだ。これは最初の学位(B.A., Magister, Diplom)を取る為のコースに適用される。音大・美大は必要ない。 2007年から始まり、これからこのテストを要求する大学も多くなるだろうとのこと。 だんだん世の中厳しくなっていくねえ・・・

    このテストはドイツ語と英語で受ける事ができ、CEFRのB1以上の語学力が無いと受けられない (ちなみにCEFRというのは「ヨーロッパ言語共通参照枠組み」というもので、 詳しくはリンク先を読んでほしい・・・)。

    TestASの内容は言語のテストではなく、認知力テスト、 つまりは大学で勉強できるだけの頭があるかどうかのテストのようだ (筆者が受けてないので詳しくかけない)。
    基礎モジュールと専門モジュールがあり、両方必要な学科もあれば、基礎だけでいい学科もある。 基礎モジュールは知能テストのようなもの。計算・図形・論理・数列問題があるようだ。 専門モジュールは専門別の内容で、その専門に必要とされる知識・能力が試される。

    まあ、大学入試みたいなものと考えればいいのかな?
    日本のゲーテでも受験可能である。

    なお、このTestASを要求していない学科でも、これをもっていると、 入学許可を降ろす際に優先的に考えてもらえる事もあるそうだ。 余裕があれば受けてみてもいいかもしれないぞ!









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