ドイツ語の日常会話の中によく登場する動物。それはブタ(Schwein=シュヴァイン。 まあ、日本でもブタなんていわれて嬉しい人はいないように、 ドイツ語でも "Schwein" は悪口になります。 Ach! Du, Schwein! (チッ!この豚め!) なんていわれたらムカッときて当たり前。 でも実際には冗談めかして友達同志で言うこともあります。 「ひっどーい!サイテー!!!」 みたいなのりでしょうか。 ところでメスのブタは "Sau(=ザウ)" といいます。 これを Schwein と同じ感覚で使うとえらいことになります。 Du alte Drecksau! (このおいぼれた薄汚ないメスブタ!) 相手は激怒間違いなし!!! 何故か同じブタでもメスブタだとものすごく酷い罵りになるんですねぇ。 これを女性差別とうけとってもよろしいのでしょうか? ブタはなぜかSehr(=ゼア、とても)の替りの副詞にもなるんです。 Es ist sehr kalt = Es ist schweine kalt! (とても寒い!) 当然もっとくずれた言い方になると、 SAU kalt! になるわけです。 間違っても目上に対してつかってはいけません! でもこれ、結構癖になるんです。あるときホームステイ先で、 "Heute ist es ja sau kalt!" (今日は寒いねえ!) と、つい口からでてしまって、お母様に、 「TAKO!!! まったく何て言葉を覚えてきたのでしょう! せめて "Schweine kalt!" といいなさい!」 とおこられてしまいました。 こんな風にブタは悪い意味でつかわれますが、 その反面良い意味もあるんですよ。幸運をもたらすんです。 Schwein haben (ブタをもっている = ラッキー!) 幸運というより「不孝中の幸い」といったほうが正しいかもしれません。 例えば、道にバナナの皮がおちていて、運悪くふんでしまったけど、 転びはしなかった。そういう時は、 Schwein gehabt! (まだラッキーだったね!) というのです。そういえば貯金箱なんかもブタの形のが多いですね! ドイツ人にきいてみました。 「どうして豚は、ポジティブな意味とネガティブな意味の両方もっているの?」 「うーん (暫く考える)。豚で在るより豚が有るほうがいいからじゃないかな?」 なんじゃそりゃ。 Mail: takochan@nikoniko.104.net |