す・け・べ(うふふ)



私はその日日本好きな友達の家でちらし寿司をつくってあげていた。 友達(ドイツ人)はすでに結婚していて、 息子のヨナタンは1歳になったばかりのかわいいさかりだ。

私はミニスカートをはいて料理しており、 その後ろでヨナタンは泡たて器をふりまわして遊んでいる。 しかし突然何を思ったのか、ヨナタンはその泡たて器をつかって、 私のスカートをめくりはじめたのだ。
「これ!ヨナタン!やめなさい!」
友人の注意も功をなさず、ヨナタンはさも楽しそうに私のスカートをめくる。 なんちゅうスケベガキじゃ!
すると友人がヨナタンを抱き上げたので、彼の凶行は終了した。

Geiler Bock!(どすけべ!)

友人はそのようにヨナタンをののしっていた。

Bockとは雄のやぎのことである。これにgeil(= 好色な)という形容詞をつけると、 爆発寸前のすけべというようなニュアンスになる。Bock自体は、

Ich habe Bock(=Lust) drauf.
私は〜をやりたい

というような使い方をすることも多い。 つまりは何かを喜んで行うことをさしているのだが、 これにgeilがつくと一つの決まった表現で「すけべ!」 ということになる。

Bockには、

einen Bock schiessen
雄やぎを撃つ

という表現もある。「へまをする」ということだ。

ちなみに「すけべ」という日本語は、 ドイツ人にとってとても覚えやすい単語のようだ。 大抵一度でおぼえてしまうので、 ちょっと日本人と友達になったドイツ人はこの単語を知っている。 私が寮中にはやらせてしまった単語のひとつである(そんな言葉教えるなって?)。








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